No.404 ナースの疑問から考える、働きやすさとは何か?

「このままこの働き方を続けていいの?」「夜勤ってずっと必要?」「もっと自分らしく働ける場所ってないの?」――現場で働く看護師の中には、日々こうした小さな“疑問”を抱えながら働いている人も多いのではないでしょうか。患者の命と生活を支える尊い仕事だからこそ、働く側の心と体の安定がなければ、長く続けることは困難です。本記事では、ナースたちのリアルな疑問を出発点に、“働きやすさ”とは何かを掘り下げて考えていきます。
今の働き方、本当に自分に合っている?

多くのナースが抱く最初の疑問は、「今の働き方をずっと続けられるのか?」という不安です。三交代・二交代といったシフト勤務による生活リズムの乱れ、夜勤明けの強い疲労感、休日出勤や突然の呼び出し…。看護師の仕事は、精神的・肉体的負担の大きさが特徴です。
特に、若い頃は乗り切れていた夜勤も、年齢を重ねると負担が増し、「そろそろ日勤中心に変えたい」「家庭との両立が難しくなってきた」と感じる人も増えてきます。もしそう感じたとき、それは働き方を見直すタイミングかもしれません。
働く環境が自分の生活や体に合っているかどうか、あらためて客観的に振り返ることは、長くキャリアを続けるためにとても大切です。
「どこまでが自分の責任?」という不安とどう向き合うか

看護の仕事では、命に関わる判断や迅速な対応が求められる場面が多くあります。その中で、「これは自分が判断していいのか?」「もし間違えたらどうしよう」と責任の重さに不安を感じることもあります。
新人ナースだけでなく、ベテランであっても不測の事態や緊急対応には緊張感が伴います。そんなとき、周囲に相談できる先輩や、チームとして支え合える関係性があるかどうかが、働きやすさを大きく左右します。
安心して働ける職場には、「一人で抱え込まない」風土があります。「これは自分だけの責任ではない」と思える体制や空気が整っていれば、不安を軽減し、のびのびと働くことができるのです。
人間関係がすべてを左右する現実
働きやすさにおいて、何より大きな影響を与えるのが「人間関係」です。どれだけ制度や待遇が整っていても、上司や同僚との関係がぎくしゃくしていると、職場に行くのが苦痛になってしまいます。
「聞きたいことが聞けない」「失敗を責められる空気がある」「同僚と雑談すらできない」といった環境では、精神的なストレスが蓄積しやすく、結果的に退職や燃え尽き症候群につながるリスクも高まります。
一方、報連相がしやすく、ちょっとした感謝や気遣いの言葉が飛び交う職場では、忙しさの中でも前向きに働くことができます。働きやすい職場には、相手を尊重し、認め合える「人の温かさ」が根付いているのです。
本当に働きやすい職場とはどんなところ?
働きやすい職場とは、必ずしも“楽”な職場ではありません。むしろ、「忙しいけど協力し合える」「責任はあるけど相談できる」「大変だけど成長できる」 “バランスの取れた環境”が、本当の意味での働きやすさにつながります。
勤務体制の柔軟性、休みの取りやすさ、キャリアアップのサポート、そして何より信頼できる人間関係。こうした条件が整っている職場では、自分のライフスタイルや価値観に合った働き方が可能になります。