No.410 ナースの三交代制勤務とは?働き方の特徴と上手な向き合い方

病院で働く看護師の多くが経験する「三交代制勤務」。早番・遅番・夜勤と一日を3つの時間帯に分けて勤務するこのスタイルは、医療現場の24時間体制を支えるために不可欠なシステムです。しかしその一方で、生活リズムの乱れや心身の負担など、独特の課題も存在します。本記事では、ナースの三交代制勤務の基本的な仕組みから、実際の働き方、メリット・デメリット、そして無理なく続けるための工夫までをわかりやすく紹介します。
三交代制の基本を理解する

三交代制とは、24時間を3つの勤務帯に分け、看護師が交代でシフトに入る勤務形態を指します。一般的には以下のように時間帯が分かれています。
- 日勤(早番):8:00~16:30
- 準夜勤(中番):16:00~0:30
- 深夜勤(夜番):0:00~8:30
※勤務時間や引継ぎのタイミングは施設ごとに多少異なります。
このような交代制を採用することで、常に患者のそばに看護師がいる状態を保ち、急変やナースコールなどに即時対応する体制が整います。特に救急指定病院や入院病床の多い大規模病院では、この勤務スタイルが主流です。
三交代制のメリットとは

三交代制には、看護師本人にとってのメリットもあります。ひとつは、勤務時間が比較的短めに区切られているため、業務の集中力を保ちやすい点です。たとえば、日勤が8時間前後で終わることで、終業後に用事を済ませたり、自分の時間を確保したりしやすくなります。
また、準夜勤や深夜勤では手術や検査などの業務量が少なく、比較的落ち着いた環境で患者ケアに専念できる時間帯もあります。夜間の仕事を選ぶことで夜勤手当がつくため、収入面でメリットを感じているナースも少なくありません。
さらに、シフトによっては平日の昼間が空くため、銀行や役所など、一般的な営業時間にしかできない用事を済ませやすいのも三交代勤務ならではの利点です。
三交代制のデメリットとは
一方で、三交代制勤務は身体的・精神的な負担も大きくなりがちです。最大の課題は「生活リズムが崩れやすいこと」です。日勤から準夜勤、深夜勤への切り替え、特に深夜勤から日勤へ戻る「連続勤務」のパターンでは、十分な休息が取れないまま業務に就くこともあります。
また、夜間に働くことで睡眠の質が下がったり、体内時計が乱れたりする影響もあります。長時間明るい病棟で過ごすことや、仮眠がうまく取れない勤務環境も、疲労の蓄積につながります。
さらに、プライベートとの両立が難しいという声もよく聞かれます。家族や友人との時間がずれやすく、育児や介護をしながらの三交代勤務は相当の工夫と支援が必要です。
転職の際には働き方の希望を明確に
三交代制勤務が合わないと感じているナースも多く、転職の動機になるケースは珍しくありません。転職活動を始める際には、「日勤のみ」「二交代制がいい」「夜勤回数を減らしたい」など、自分のライフスタイルや体力に合った勤務条件を明確にしておくことが大切です。
最近では、働き方改革の一環として夜勤負担を軽減したり、希望シフトをできる限り反映したりする職場も増えてきました。三交代の経験があること自体は、柔軟に働ける証としてプラスに評価されることも多いため、今後のキャリアを見据えて「どう働きたいか」を言語化することが転職成功への第一歩になります。