No.413 現場で信頼されるナースの立ち回りとコミュニケーション術
ナースとして働く現場では、知識や技術だけでなく、周囲とのスムーズな連携やその場の空気を読む“立ち回り”の力も重要です。特に多職種との連携が求められる医療現場では、ちょっとした気配りや判断力が、チーム全体の動きを円滑にし、患者さんの安全にもつながります。本記事では、新人ナースから中堅ナースまでが知っておきたい「立ち回りの基本」と、現場で信頼されるためのコミュニケーション術について具体的に紹介します。
報・連・相のタイミングを見極める
ナースの仕事では「報告・連絡・相談(報・連・相)」が大原則ですが、伝える内容とその“タイミング”が非常に重要です。忙しい医師や先輩に話しかける際は、相手の手が空いているタイミングを見計らい、要点を簡潔にまとめて伝えることが信頼につながります。たとえば、患者のバイタル異常や転倒リスクといった緊急度の高い内容は即座に報告し、それ以外の申し送り事項は業務の合間やカンファレンスで伝えるなど、状況判断が求められます。
先を読んだ行動でチームの一歩先へ
忙しい現場では「先読み力」が立ち回りの鍵になります。たとえば、処置中に必要になりそうな物品を事前に準備したり、ドクターラウンドの直前に患者情報を整理しておいたりと、常に次の流れを意識した行動をとることで、周囲からの信頼が高まります。無駄な動きを減らし、効率的に動けるナースは、患者さんにもスタッフにも頼りにされる存在です。
空気を読みつつも「優先順位」はぶれない
現場では、「今、誰が、何を求めているのか」を瞬時に見極める判断力が求められます。しかし、気を使いすぎて自分の業務が後回しになってしまうと本末転倒です。たとえば、周囲の動きに配慮しながらも、「急変リスクの高い患者のケア」「時間厳守の投薬」など、優先順位の高いタスクから的確に対応することが基本です。気遣いと責任感のバランスを保つことが、信頼されるナースの立ち回りです。
新人・後輩への関わり方でチーム力アップ
現場での立ち回りは、対患者だけでなく「対スタッフ」でも問われます。特に新人ナースや後輩に対しては、威圧的にならず、相手が質問しやすい雰囲気をつくることが重要です。失敗を責めるのではなく、具体的にどう改善すべきかを伝える「建設的な指摘」ができるナースは、チーム全体の成長にも貢献します。また、自分の経験談を交えたアドバイスは、後輩の不安を軽減し、職場全体に安心感をもたらします。
多職種との信頼関係がスムーズな現場をつくる
医師や薬剤師、リハビリスタッフなど、さまざまな職種が関わる医療現場では「立場を超えた信頼関係」が円滑な連携の鍵です。たとえば、無理に自分の意見を通すのではなく、相手の視点も尊重しつつ意見を伝える姿勢が大切です。依頼をする際も「お願いの仕方」を丁寧にし、互いに感謝の気持ちを伝える習慣を持つことで、連携が格段にスムーズになります。


