No.412 現場で求められるナースの責任とプレッシャーその乗り越え方
ナースは、患者の命を預かる現場で働く専門職です。その分、日々の業務の中で大きなプレッシャーを感じることが少なくありません。医療ミスへの不安、患者対応の難しさ、多職種との関係、過酷なシフトなど、さまざまな場面で心身に負担がかかるのが現実です。今回は、ナースが感じやすいプレッシャーの具体例と、それにどう向き合い、乗り越えていくかのヒントを、現場の視点から解説します。
命を預かる重圧とミスへの恐れ
ナースは日々、患者の容体を観察し、医療処置や投薬を行うなど、重大な判断を求められる場面に立ち会います。そのため「自分の判断ミスで患者に何かあったらどうしよう」と不安を感じるのは当然です。特に新人ナースのうちは、知識と経験の不足からプレッシャーを強く感じやすく、夜勤中の緊急対応やドクターへの報告ひとつとっても、心が張りつめてしまうことがあります。
人手不足と多忙による慢性的なストレス
医療現場では慢性的な人手不足が続いており、1人あたりの業務量が非常に多くなっています。「時間が足りない」「患者さんに十分に向き合えていない」と感じながらも、次の業務に追われる日々が続くと、達成感よりも自己否定や無力感が募ってしまうことがあります。忙しさから小さなケアが疎かになってしまい、「もっとできたのに」と自分を責めてしまうナースも少なくありません。
患者や家族からの期待とプレッシャー
ナースは患者やその家族にとって「安心の象徴」であり、つねに笑顔で優しく接してくれる存在として見られています。しかし現場では、理不尽な要求やクレームに直面することもあります。感情のコントロールを求められ、どれだけ丁寧に対応しても納得してもらえないとき、「自分の対応が悪かったのでは」と思い悩んでしまうことがあります。理想と現実の間で、気持ちが押し潰されそうになることもあるのです。
先輩や医師との関係に悩むことも
職場の人間関係も、ナースが感じるプレッシャーの大きな要因です。先輩からの指導や、医師とのやりとりでうまく言葉が通じなかったとき、「自分はこの仕事に向いていないのでは」と感じてしまう人もいます。報連相のタイミングや言い方に悩み、叱責されるたびに自己肯定感が下がってしまうこともあります。新人時代は特に、気を遣いすぎて疲弊してしまうケースが多く見られます。
責任感の強さが自分を追い込むことも
ナースは多くの場合、責任感が強く、相手のために動ける人が多い職業です。その反面、「周囲に迷惑をかけたくない」「自分がやらなきゃ」と無理を重ねてしまい、知らず知らずのうちに心が限界に達してしまうこともあります。特に真面目な人ほど、休むことや頼ることが「甘え」と感じてしまい、ひとりで抱え込んでしまう傾向があります。


